
Indeedが実施した調査によると「スキル習得をしたいと思わない」と回答した人の割合は、日本は29.3%で米国の3.7%を大きく上回りました1。2019年に実施されたパーソル総合研究所の「APAC就業実態・成長意識調査」では、勤務時間外での学習や自己啓発活動について「とくに何も行っていない」と回答した日本人は46.3%で14カ国・地域でワーストという結果2が出るなど、日本では社会人のスキル習得意欲の低さが指摘されています。
国民のほとんどが高等学校に進学し、国際学力調査で上位にランクイン3するなど、学校教育に関しては国際的に比較しても遜色なく、むしろハイレベルであると言えます。にもかかわらず勉強する社会人は少ないというのです。そこで、何故勉強する社会人が少ないのか、社会人でも勉強する必要はあるのかについてお話いたします。
まず、なぜ日本の社会人は勉強しないのかという点についてですが、これには大きく2つの理由が考えられます。
1つめが、勉強でスキルアップをする文化がないという理由です。
日本では終身雇用と年功序列という独自の雇用制度が労働者を支えてきました。そのため、スキルを活かして転職するとか、あるいはリストラにあったから学び直しをするとかそういったケースがあまりありませんでした。なので、社外学習をしてそれを仕事に活かすというのがあまり普及してこなかったというのはあるのではないかと考えられます。
2つめが、長時間労働で時間と体力が削られるという理由です。
これはあまり指摘されないことが多いのですが、私の経験上この理由も結構大きいのではないかと思っています。社会人で勉強するとなると、休日や帰宅後の勤務時間外に行う必要がありますが、一日働いた後に勉強するとなると、体力がほとんど残っていないですし、そんな中で集中して勉強をするのは、中々難しい話です。まして残業がある職場では勤務時間外に学習をするのはほぼ不可能だと言えるでしょう。
私も大学卒業後会社員を経験しまして、そのときの体験談なのですが、1年目では仕事がそんなに忙しくなかったので、仕事終わりに勉強することは可能でしたが、2年目になって仕事が増えていくと、家に帰って勉強しようとしても疲労で頭が全くまわらなかった経験があります。なので、日本の職場のwell-being軽視で忙しく働かされるスタイルは特に疲労が溜まり、スキルアップを阻害する原因になっているのではないかと思います。
では、社会人になって勉強する必要はあるのかという点についてですが、これからの時代その必要性は益々高まっているといえます。昨今ニュース等で報道されている通りではありますが、終身雇用制度などの日本型雇用の崩壊が叫ばれており、会社の業務だけに専念するというやり方は限界を迎えつつあります。そうした世の中でキャリアを築いていくには、他の会社でも通用するようなスキルが必要となってきます。それを身につけるに勉強が必要となるわけです。
なので「個の時代」ともいわれるように、これからは専門的スキルなどの、よそでも使えるスキルを持っているかどうかで大きな差が生まれてくると思われます。それがあれば転職で収入増を期待することができますし、倒産、リストラなどの事態に遭遇しても対処しやすい、しなやかなキャリア形成ができます。
しかし、日本の企業でありがちなのが、仕事が忙しい割に大してスキルがたまらないというパターンです。こういう職場って実際の所結構あると思いますが、この働き方は労力の割に市場価値がつきにくいので結構きついです。なので、雇用情勢の変化に応じた働き方が我々には求められているのではないかと思います。